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专利摘要:
公开号:WO1992009312A1 申请号:PCT/JP1991/001609 申请日:1991-11-22 公开日:1992-06-11 发明作者:Hajimu Kurumatani;Hiroshi Kataoka;Kyotko Yamada 申请人:Toray Industries, Inc.; IPC主号:A61L33-00
专利说明:
[0001] 明 細 書 [0002] イ ンプラ ン ト材 [0003] 技 術 分 野 [0004] 本発明は抗血栓性に優れ、 かつイ ンプラ ン ト材中へ積 極的に細胞を導入し長期に渡り血栓形成を防ぐィ ンプラ ン ト材に関する ものであり、 特に細径人工血管と して用 いた場合においても血栓形成による閉塞を防ぐ優れたィ ンプラ ン ト材に関する ものである。 [0005] 背 景 技 術 [0006] 人工血管と して太径及び中径のものについては、 ポ リ エステルの織物あるいは編物あるいはポ リ テ ト ラ フルォ 口エチレン性のチューブを延伸したものなどが広く 臨床 応用されており、 多少の問題を内在するものの良好な開 存成績が得られている。 [0007] しかしながら冠状動脈バイパス術や四肢の末梢動脈再 建に用いられる内径 6 m m未満の細径人工血管は、 血栓 による閉塞のため、 いまだ満足できる ものがなく 自家静 脈移植に頼っているのが現状である。 このため細径人工 血管を開発しょう とする試みが種々の手法で検討されて いる。 こ う した試みの主流となっていたものに、 人為的 な抗血栓性を長期間維持しょう という ものがあった。 こ う した手法の例をあげると、 抗血栓性材料と して知られ るセグメ ン ト化ポ リ ウ レタ ンチューブを用いたものや、 へパリ ン化材料をコ—ティ ングした材料などがあげられ る。 しかしながらこれらは抗血栓性の維持だけに関心が 払われ、 細胞との親和性が考慮されていなかつたため、 基材への細胞の侵入がほとんど期待できなかつた。 この ため埋め込み後長期間経過すると、 吻合部から伸びだし たパンヌ スとよばれる血管内皮細胞を中心とする組織の 一部が人工血管壁に接着せずに血中に浮遊し、 これが原 因となつて人工血管が突然閉塞するという例が頻発する ことが知られている。 現在 6 m m程度の人工血管と して 臨床的に広く 用いられているポリ テ トラフルォロェチレ ン製チューブを延伸して作成した人工血管も、 このよう な設計であったためパンヌス性の閉塞をきたすことが報 告されている。 [0008] また心臓ゃ大血管の修復に用いるパッチ材料では、 そ の内面を血管内皮細胞が被覆するのに時間がかかるため、 表面で血栓が形成され、 その血栓が遊離すると末梢血管 の閉塞や感染の原因になることがあった。 [0009] 一方、 有孔性の高い人工血管にアルブミ ンを浸漬しォ — トク レーブするこ とで、 人工血管の被覆材と して用い る試みは、 医師が手術中に手軽に用いることができ自己 の血栓で人工血管の空隙部分をうめる、 いわゆるプレク ロ ッティ ングより も確実に人工血管からの漏血を抑える ことができることからその使用が増加している。 [0010] アルブミ ン架橋体によって被覆された人工血管は、 ァ ルブミ ンの被覆によつて基材が親水性となり 、 アルブミ ンが生体内で負電荷を有していることから、 ある程度の 抗血栓性を有している。 しかしながら、 今回内径が 6 m m 以下特に 4 M以下の血管に埋め込んだ場合には、 埋め込 み後早期の血栓形成を阻止し開存を維持するためには、 このアルブミ ン架橋体のみの抗血栓性だけでは不十分で あるこ とが判つた。 [0011] このように上述の方法で作製された内径 6 m m未満の 小口径人工血管は抗血栓性不十分であり、 またパンヌ ス の異常形成のために開存性が十分ではなかつた。 またパ ツチ材も、 治癒が遅く 血栓が形成されるために、 血栓の 遊離による末梢血管の閉塞や、 感染の原因となっていた。 [0012] 従って本発明は内径 6 mm未満の小口径人工血管におい ても、 優れた開存性を発揮するようなイ ンプラ ン ト材を 提供するこ とを目的とする。 [0013] 発 明 の 開 示 [0014] 本発明は、 アルブミ ン変性物または生分解性ポ リエス テルにより空隙部が埋め込まれた多孔性基材の血液接触 面に抗血栓性物質を含むイ ンプラ ン ト材である。 [0015] 図面の簡単な説明 [0016] 第 1図は本発明のイ ンプラ ン ト材と して人工血管を用 いた場合の好ま しい実施態様の一つを示すものであり、 抗血栓性物質が生分解性ポ リマーに保持され、 一層構造 となる場合の断面図を示す。 第 2図は本発明のイ ンプラ ン ト材と して人工血管を用いた場合の好ま しい実施態様 の一つであり、 抗血栓性物質が生分解性ポ リ マー上に配 置され二層構造となる場合の断面図を示す。 [0017] 1 …基材 2…第 1層 [0018] 3…第 2層 [0019] 発明を実施するための最良の形態 [0020] 本発明のィ ンプラ ン ト材は生体内に適用される もので あれば特に限定されないが、 具体的には人工血管および パツチがあげられる。 [0021] 人工血管やパッチ材のように血圧がかかる部位に用い る人工臓器では、 埋め込み後数 年にわたって強度を保 ち、 血圧による動脈瘤状の拡張や破裂を生じないことが 必須である。 [0022] このため、 人工血管と しては、 少なく とも、 埋め込ん だ動物が生存している間は、 その構造を保っており、 血 圧に耐えるだけの力学的な強度を保つていることが必要 と 7よる。 [0023] 本発明においても、 特に血管あるいはパッチと して用 いる場合においては、 少なく と も基材の一部を、 埋め込 んだ動物の一生涯にわたつて形状、 血圧に耐えるだけの 強度を保つような生分解性ではないものとする必要があ る o [0024] 多孔性基材の代表的な例と して、 繊維を織り、 編み、 不織布化による直接法によって筒あるいはシ一 ト状にし たものがあげられる。 [0025] この際用いられる繊維の材質と しては、 ポリエステル、 ポ リ ウ レタ ン、 ポ リ フ エ二レンサルフ ァ イ ド、 ポ リ スル ホン、 ポ リ エーテル、 ポ リ ア ミ ド、 ポ リ オレフイ ン、 ポ δ [0026] リ テ ト ラ フルォロエチ レ ン、 ポ リ カーボネー ト、 ポ リ ア セターノレ、 ポ リ ビニ ノレ ア ノレ コ ー ノレ、 セ ノレ ロ ー ス 、 セ ノレ 口 ース誘導体などからなる繊維を織り、 編み、 不織布化に よる直接法などによって内径が 2 - 3 0 m mのチューブ 状にしたものがあげられる。 [0027] またパッチと しても上述の材質のものを同様に織り、 編みまたは不織布化による直接法によってシー 卜伏に し たものが用いられる。 また前述のチューブ状の人工血管 の一部を切り開いて、 パッチと して用いるこ と も もちろ ん可能であり、 このような場合には血栓の形成が少ない 良好な治癒特性を有するパッ チを作成できる。 [0028] 上述の材質のうちポ リエステルとは、 より具体的には ポ リ エチ レ ンテレフ夕 レー ト、 ポ リ ブチ レンテ レフタ レ ー ト、 ポ リ プロ ピレ ンテ レフタ レー トなどであ り、 また これらのテレフタル酸の一部をフタル酸、 イ ソフ夕ル酸 あるいはその誘導体で置き換えたものも好ま し く 用いら れる。 これらポ リ エステルは生体内で比較的安定であり、 また現在まで長期間にわたって太径の人工血管と して用 いられ、 その安全性が確立されているため特に好ま しい。 [0029] ま た本イ ン プラ ン ト材を構成する繊維の 4 0 重量 %以上を 0 . 5 デニール以下、 好ま し く は 0 . 1 デニ —ル以下の極細繊維とするこ とは特に有用である。 すな わち、 極細繊維がチューブを形成する編み、 織り または 組織りなどの組織の目の間を適度な間隔で蜘蛛の巣状に 横切っ た形態をと らせる こ と によ り、 特公昭 6 1 — 4 5 4 6 に示したように縫合性にすぐれた人工血管を作る ことができる。 また本発明で賦与できる抗血栓性は一時 的なものであるため、 できるだけ早期に細胞が侵入する ことが好ま しく、 基材の一部に極細繊維を用いるこ とに より、 この早期の細胞の侵入を達成することができる。 特に小口径人工血管の場合には、 この特性は特に重要で ある。 [0030] また、 ポリ テ トラフルォロエチレン製やポ リ ウ レタ ン 製のチューブを多孔化したものも本抗血栓材料の基材と して好ま しいものである。 [0031] しかしながらポリ ウ レタンチューブでは、 生体内で次 第に劣化し、 徐々にその強度を失う ことが知られている。 このため、 上述の繊維性の基材で捕強することが好ま し い。 [0032] 我々は、 生体の血管においてその抗血栓性の主体と考 えられている、 血管内皮細胞が人工血管の内表面を出来 るだけ早期に被覆するように内皮細胞を誘導する手法を とることによつて開存を維持しょう と考えた。 [0033] 血管内皮細胞の侵入のためには、 それに先だって、 そ の外膜側に平滑筋細胞や線維芽細胞が基材に侵入しなけ ればならない。 [0034] また、 一旦形成された血管内皮細胞層の安定性は、 そ の外膜側に侵入してきた平滑筋細胞や線維芽細胞によつ て維持されていることが次第に明らかにされてきている。 (松田武久 細胞工学 8 2 2 7 ( 1 9 8 9 ) 1 [0035] 人工血管やパッ チへの、 平滑筋細胞や、 線維芽細胞の 進入を妨げないためには、 基材は外膜側から内膜側に連 続した孔を有する多孔体とするこ とが必須である。 [0036] この多孔性を評価するひとつの尺度と して、 透水率 ( 1 2 0 mm H gの圧力のもと l c m 当り 1分間に透 過する水の量 (m l ) で定義される) がある。 本イ ンプ ラ ン ト材料に求められる透水率は 5 0 0〜 5 0 0 0 ml/ cnf /min. 120mmHg 、 好ま し く は 1 0 0 0〜 4 0 0 0 mlZ cnf/min. HOnimHg . より好ま し く は 2 0 0 0から 3 5 0 0 ml /cnf /mi n. 120mmH である。 [0037] しかしながら、 このよ うな多孔体では埋め込み直後に、 血液の漏れが生じるため、 これを防ぐ物と して、 人工血 管の空隙部分をなんらかの材料によって埋めるこ とが必 要である。 [0038] しかも、 こ う した材料は生体内で徐々に分解するこ と で、 細胞に置き替わり血管内皮細胞による被覆を妨げな いようにしなければならない。 このため、 次に述べるよ うな生分解性ポリ マ —を用いる必要がある。 [0039] 上述の基材の空隙を埋め込む生分解性のポ リ マ ーと し て、 アルブミ ン変性物、 または生分解性のポ リエステル が用いられる。 [0040] アルブミ ンは血しょ う タ ンパク質と して生体内にもつ と も豊富に存在するタ ンパク質であり、 医薬品と しても 多量に用いられるなど、 その安全性が確認されている。 このアルブミ ンを加熱すると、 分子の高次構造が変化す るとともに分子間での架橋反応が生じるため、 水あるい は血液に不溶なアルブミ ン変性物とすることができる。 手法としては、 あらかじめ何等かの溶媒に溶解させたァ ルブミ ンの溶液に人工血管を浸漬し、 ついでアルブミ ン の不溶化処理が行われる。 [0041] すなわち本発明のアルブミ ン変性物と しては、 加熱処 理およびノまたは化学架橋剤による架橋処理により、 ァ ルブミ ン分子間に共有結合、 水素結合あるいはフア ンデ ルヮ一ルスカによる結合を生じさせ、 水不溶と したもの が好ま しく 用いられる。 このような不溶化処理によって、 人工血管からの漏血を実質上防ぐことができる。 [0042] 加熱処理の条件と しては、 人工血管を浸漬する際のァ ルブミ ン濃度を 5 w t %から 5 0 1 %とすることが適 当であり、 好ま しく は 1 0 — 3 0 w t %である。 濃度が 薄い溶液を用いるときには、 数回この処理を繰り返すこ とによって、 本人工血管からの漏血を防止することがで きる。 熱処理の条件と しては、 7 0度から 1 5 0度が適 当である。 熱処理の方法と しては、 架橋体の乾燥を避け る意味から高温の蒸気による方法、 例えば高圧蒸気滅菌 器により 1 2 1度で、 5分から 4 0分の処理が好ま しく 行われる。 [0043] 化学架橋をおこなう際の架橋剤と しては、 1分子中に 2個以上のエポキシ基、 イ ソシァネー ト基、 アルデヒ ド 基、 活性エステル基を有する化合物などが好ましく用い られる。 また、 ァ ミ ノ基とカルボキシル基との縮合を促 進する、 カルポジイ ミ ド、 ゥ ッ ドワー ド試薬 Kなどがあ げられる。 こ う した化学架橋剤を用いる反応を、 前述の 加熱によるアルブミ ンの不溶化反応と併用する こ と もも ちろん可能である。 [0044] 本発明で用いられるアルブミ ンの溶媒と しては、 水、 エタノ ール Z水混合液のほか、 リ ン酸緩衝液、 ト リ ス緩 衝液などの各種の緩衝液が好ま し く 用いられる。 [0045] 生分解性ポ リエステルと しては、 好ま し く はポ リ乳酸、 ポ リ グリ コール酸、 ポリ ヒ ドロキシ乳酸、 ポ リ 力プロラ ク ト ン、 ポ リ エチレンアジペー ト、 ポ リ ジォキサノ ンお よびそれらのコポリマーから選ばれた少なく と も一種が 用いられる。 [0046] 本目的に用いるこ とのできる生分解性ポリエステルは、 数平均分子量が 5 0 G 以下のもの、 特に 3 G 0 0 G 以下の低 分子量のものが好ま しく 用いられる。 [0047] 生分解性ポ リ エステルの塗布の方法と しては、 ク ロ口 ホルム、 ジク ロロメ タ ンなどの溶媒に該当ポ リ マ一を溶 解した溶液に基材を浸漬し、 ついでこれらの溶媒を真空 乾燥等で除去することによって達成される。 [0048] この際の、 ポ リ マー濃度と しては 1 %から 2 0 %程度で める。 [0049] 生分解性ポ リエステルの柔軟性を高め、 埋め込みにあ たっての縫合性を改善するため、 脂肪酸、 リ ン脂質をポ リ マー層に混入させたり、 多孔化するこ とが特に有効で ある。 また本発明で用いられる生分解性ポリ マ一であるアル ブミ ンおよび生分解性ポリエステルは、 好ま しく は分解 期間と してラ ッ 卜の皮下に 1 O m m角、 厚さ 2 m mの板 状のものを埋め込んだとき、 3 日から 400 日、 好ま し く は 7 日から 150 日を持つものである。 [0050] 上述の生分解性ポリ マー、 すなわちアルブミ ン変性物、 生分解性ポリエステルのうち、 アルブミ ン変性物が最も 好ま しく 用いられる。 [0051] アルブミ ン変性物あるいは生分解性のポリエステルは、 生体内で加水分解、 酵素分解、 あるいは白血球による貪 食などを受けるために、 徐々に分解され、 かわり に線維 芽細胞や平滑筋細胞、 あるいは毛際血管が基材に進入す る。 ついで血管内皮細胞が血液接触面に吻合部あるいは、 外膜側から侵入することで、 最終的に血液接触面面全体 が血管内皮細胞によって被覆される。 [0052] 本発明でいう多孔性基材の空隙部をアルブミ ン変性物 または生分解性ポリエステルからなる生分解性ポ リマー で埋め込むとは、 基材が血液を透過しない程度に埋め込 むことを意味し、 好ま しく は前述の透水率が生分解性ポ リマ一埋め込み後 5 0 ml/cnf/min. 120mmH 以下となる ものである。 このような透水率が得られるのであれば、 多孔性基材の空隙部の全てを生分解性ポリ マーで埋め込 む必要はなく、 空隙部の 5 0〜 9 0 %、 より好ま しく は 7 0〜 9 0 %が埋め込まれていれば良い。 特に外膜側に 某材が露出していることは細胞の侵入にとってむしろ好 ま しいものである。 生分解性ポ リ マー層は上述した基材 とならんで次の抗血栓物質を塗布する際の足場となる も のである。 [0053] 本発明で用いられる抗血栓性物質と しては、 特に限定 されないが、 後述の水溶性高分子、 抗血液凝固剤が好ま し く 用いられる。 [0054] 水溶性高分子と しては、 へパ リ ン、 へパラ ン硫酸、 コ ン ドロ イ チ ン硫酸、 ヒ アルロ ン酸を代表とするグリ コザ ミ ノ グリ カ ン、 分子量 2 0万以上の多糖、 分子量 4 0 0 以上のポ リ エチ レ ンォキシ ド、 さ らに分子量 2 5万以上の ビニルポ リ マー [具体的にはポ リ アク リル酸、 ポ リ ビニ ルアルコ ール、 ポ リ ビニルピロ リ ドン、 ポ リ ア ク ルア ミ ド、 ポ リ ヒ ドロキシメ チルメ タ ク リ レー ト、 多糖と して セルロ ース誘導体 (力ノレボキシメチルセルロ ー ス、 ヒ ド ロキシェチルセノレロ ー ス、 メ チノレセルロ ー ス) 、 ア ミ 口 —ス、 アルギン酸など、 あるいはこれらの共重合体およ び誘導体] が挙げられる。 [0055] 抗血液凝固剤とは、 前述の水溶性高分子にも分類され るが、 へパ リ ン、 へパラ ン硫酸、 コ ン ドロイ チ ン硫酸、 ヒアルロ ン酸を代表とするグリ コサ ミ ノ ダリ カ ンがまず 第一にあげられる。 また、 ゥロキナーゼ、 ス ト レブ トキ ナーゼ、 ヒノレジ ン、 プロ テイ ン (:、 ア ンチ口 ト ン ビン ΠΙ、 組織プラス ミ ノゲンァクティ ベータ、 ト ロ ンボモジユ リ ンなどや、 抗血小板薬と して知られる、 プロスタグラ ン ジ ン Ε、 プロ ス夕サイ ク リ ンおよびその誘導体、 シ ク ロ ビジン、 ヮーフア リ ンなどの各種低分子化合物も好ま し く用いることができる。 [0056] 上述の抗血栓性物質の中でも、 グリ コサミ ノ グリ カ ン が好ま しく用いられ、 特にへパリ ンが好ま しく 用いられ るものである。 [0057] 抗血栓性物質の付与の方法と しては、 図に示すように、 抗血栓性物質が生分解性ポリ マー (アルブ ミ ン変性物、 生分解性ポリエステル) に保持され、 一層構造となる [0058] (第 1図) 、 および抗血栓性物質が生分解性ポリ マー上 に配置され二層構造をなす場合 (第 2図) が挙げられ、 以下各方法について詳述する。 [0059] [ 1層構造の場合] [0060] 主と して次の A ) 、 B )の 2種類の手法による抗血栓性 の付与法が代表的である。 この場合には、 生分解性のポ リマー層の分解とともに、 基剤に塗布されていた抗血栓 物質も消失するため、 抗血栓性物質には特に生分解性は 求められない。 [0061] この場合特に血液との接触面の抗血栓性物質の濃度を 高く し、 非接触面には抗血栓性物質が実質上含まれない ようにすることが好ま しい。 [0062] この理由と しては、 血液と接触しない面から線維芽細 胞あるいは平滑筋細胞の侵入を促す必要があるがこのと き、 抗血栓性物質があるとこれらの細胞の侵入が著しく 阻害されるためと考えられる。 [0063] A ) 血液接触面に抗血栓性物質のうちの少なく とも 1 種を固定化するこ とによって、 抗血栓性を付与する方法 用いられる抗血栓物質と しては上述の水溶性高分子が 好ま し く 用いられ、 中でもへパリ ンは特に好ま し く 用い りれ [0064] 抗血栓性物質の固定化する方法と しては、 アルブミ ン 変性物を用いる場合は、 アルブミ ンがカルボキシル基、 あるいはァ ミ ノ基を有するため、 [0065] a ) アルブミ ン変性物に存在するァ ミ ノ基とカ ッ プリ ン グ反応させるために、 水溶性高分子に活性エステル基、 エポキシ基、 アルデヒ ド基あるいはウ レタ ン基をもつも のあるいは導入したものを用いる方法 [0066] b) アルブミ ン変性物のカルボキシル基と反応させるた め、 水溶性高分子にア ミ ノ基を有する ものを用い、 水溶 性カルボジィ ミ ド、 ジアルデヒ ド等の架橋剤を用いて共 有結合させるの 2手法が好ま し く 用いられるが、 本発明 はこれにと らわれるものではない。 もちろんこれらの官 能基の双方を利用することも可能である。 [0067] 生分解性ポ リ エステルを用いる場合には、 生分解性ポ リエステル層にァ ミ ノ基あるいはカルボキシル基などの 官能基を導入することによってアルブミ ン変性物と同様 に水溶性高分子を付与するこ とが可能である。 [0068] 具体的には、 ポリ ア ミ ン、 プロタ ミ ンなどの塩基性夕 ン パク質あるいはポリ L リ ジンなどの合成ポ リ ア ミ ノ酸な どを溶媒に生分解性ポ リ エステルと同時に溶解し、 この 溶液を基材に塗布するこ とによって本ポ リ エステル層に ァ ミ ノ基を導入することができる。 [0069] B ) 抗血液凝固剤を生分解性ポリ マー層から徐放させ る方法 [0070] 本手法の代表例と して、 抗血液凝固物質と してグリ コ サミ ノ グリ カ ンを用いる例をあげる。 [0071] 本手法は生分解性ポリ マー層に塩基性タ ンパク質およ び Zまたはポリペプチ ドを含有させ、 その正電荷を用い て、 負電荷をもつグリ コサミ ノ グリ力ンを固定化する も のである。 グリ コサミ ノ ダリ カンは塩基性夕 ンパク質と イオンコ ンプレ ッ ク スを形成することで固定化され、 血 管に埋め込まれた後ゆつ く り と放出されることで材料表 面での血栓の形成を阻止する。 [0072] 具体的な作成法と して、 アルブミ ン変性物を用いる場 合について述べる。 アルブミ ンと塩基性タンパク質およ び Zまたはボリペプチ ドの両者を含む溶液を作成し、 こ の溶液に基材を含浸するか、 あるいはその溶液を基材の 血液接触面に面に塗布し、 上述の加熱あるいは架橋によ つて、 アルブミ ンを固相化することで、 塩基性タ ンパク 質および またはポリぺプチ ドを固定化する。 ついでグ リ コサミ ノ グリ カ ンを含む溶液を血液接触面から含浸あ るいは塗布することによって、 イオンコンプレッ クスを 形成させる。 [0073] 生体の安全の立場から、 本手法で好ま しく用いること のできる塩基性タ ンパク質と してはプロタ ミ ン硫酸、 ヒ ス ト ン等が、 ポリペプチ ドと しては、 ポリ リ ジン、 ポ リ Lアルギニン等があり、 両者を同時に使用する こ と も 可能である。 [0074] 添加する塩基性夕 ンパク質あるいはポ リベプチ ドの量 と してはアルブミ ンあるいは生分解性ポリ エステルに対 し 2 — 2 0 w t %好ま し く は 5 — 1 5 w t %である。 ま たこの両者を混合して用いる際も全体で前述の混合量と することが好ま しい。 [0075] 用いられるグリ コサミ ノ グリ カ ンの濃度と しては、 1 — 5 0 w t %好ま し く は 1 0 — 3 0 %であり、 溶媒と し ては水または各種の緩衝液が用いられる。 [0076] 内径が 4 m m以下の小口径人工血管では、 埋め込み時 に材料表面での血栓が形成されやすく なるため、 積極的 に血栓の形成を阻害する B ) 法が好ま しい。 [0077] 一方、 パッチ材内径が 6 から 8 m mの人工血管のよう にそれほど高度な抗血栓性が要求されない部位には、 抗 血栓物質による平滑筋細胞あるいは線維芽細胞の侵入を 阻害する危険性のない B ) 法が好ま し く 用いられる。 [0078] [ 2層構造の場合] [0079] 抗血栓物質が第 1層とは別の第 2層をなしているこ と は、 特に好結果をもたらす。 この理由と して次の事項を あげるこ とができる。 [0080] 1) 内面をより平滑に保つこ とができ る [0081] 2) 両者の分解期間を変えることが可能である 特に第 2層 (抗血栓層) の分解速度を第 1層 (アルブ ミ ン変性物等の生分解性ポ リ マー層) より遅く するこ と によって、 抗血栓性を有したままで、 基材の中央部まで 細胞を侵入させ、 第 1層が分解されるころには、 第 2層 の直下まで平滑筋細胞あるいは線維芽細胞が侵入してい るため、 吻合部から伸びだしてく る血管内皮細胞がこれ らの細胞に支持されるために、 安定で迅速な内皮細胞に よる被覆が行われる。 [0082] 3 ) 抗血栓性物質の外膜側からの溶出をより確実に防 止することができる。 [0083] 特にへパリ ンなどの、 グリ コサミ ノ グリ カンあるいは、 抗血小板薬は、 優れた抗血栓性を有する一方、 線維芽細 胞などの細胞の侵入を抑制することが知られている。 こ のため、 外膜からのグリ コサミ ノ グリ カンの溶出をでき るだけ確実に防止することによって、 細胞の侵入を阻害 しないようにすることが可能となる。 [0084] この目的のためには第 1層を特に含水率が 7 0 %以上 の高いものとすることは好ま しく ない。 [0085] 第 2層 (抗血栓性物質層) を形成するポリ マーは、 生 分解性を有している必要があり、 具体的には、 ポリ乳酸、 乳酸- グリ コール酸共重合体、 ポリ - - ヒ ドロキシ酪 酸、 ポリオル トエステル、 ポリ - ィプシロン- 力プロラ ク ト ンなどのポリエステル、 あるいはポリ (エチレン ' プロ ピレンカーボネー ト) などが挙げられるが、 第 2層 を形成するポリマー層を、 それ自身でも抗血栓性を有す るハイ ドロゲルとすることはと く に有用である。 [0086] ここでゲルとは、 あらゆる溶媒に不溶の 3次元網目構 Π [0087] 造をもつ高分子およびその膨潤体を意味する。 線状ある いは分岐高分子を良溶媒中に入れる と、 次第に膨潤しつ いには溶解に至るが、 3次元的網目構造を持つ架橋高分 子では溶媒との相互作用によってある程度までは膨潤す る ものの架橋を構造のために有限の膨潤性を示すこ とが 知られている。 本発明では上述の溶媒と して水を用いた ハイ ドロゲルが好ま し く 用いられる。 [0088] 本発明で好ま し く 用いるこ とのできるハイ ドロゲルと は、 ゼラチンおよびその架橋体、 ェチルセルロース、 ヒ ドロキシェチルセルロース、 メ チルセルロースなどの水 溶性セルロース誘導体を架橋したもの、 アルギン酸、 ァ ガロ ース、 カラギ一ナンなどの糖類、 架橋ポ リ エチ レ ン ォキシ ド、 ポ リ ビニルアルコール、 エチ レ ンォキシ ドー プロ ピレ ンォキシ ドのブロ ッ ク共重合体などの合成高分 子が好ま し く 用いられる。 [0089] 含水率が低い場合には、 ハイ ドロゲル自身の抗血栓性 が低いこ と、 また高すぎる場合には、 適度の強度を持つ たゲルが得られ難いこ とから含水率は 1 0から 9 0 %好ま し く は 2 0から 7 0 %である。 [0090] 第 2層を構成するポリ マーが生分解性を有しており、 かつ抗血栓性を有しているならば、 該ポ リマーにさ らに 抗血栓性物質を添加して用いなく ても構わない。 [0091] 上述のハイ ドロゲルの中でもゼラチンが以下の特性を 有しているため最も好ま し く 用いられる。 [0092] ①生体内で安全に使用でき、 人工血管の被覆材料と して も実績がある、 [0093] ②第 1層への接着性が高いために、 第 1層と第 2層間の 剥離が生じにく い、 [0094] ③ゼラチンの架橋の程度を変えることで分解期間を制御 可能である、 [0095] ④溶液の濃度を変えることで容易に様々なへパリ ン徐放 特性を有する基材とすることができる。 [0096] ゼラチン層は体温では徐々に溶出するため適当な手法 で架橋することが必要である。 架橋手法の例と しては、 架橋剤を含有する溶液に第 1、 第 2層を塗布した基材を 浸漬することによって行われる。 [0097] ゼラチン層の架橋剤と しては、 エチレングリ コールジ グリ シジルエーテル、 ポ リエチ レングリ コールジグリ シ ジルェ一テル、 グリ セ口—ルポ リ グリ シジルェ一テル、 ジグリ セロ ールポ リ グリ シジルエーテル、 ポ リ グリ セ口 —ルポリ グリ シジルェ—テル、 両末端に活性エステル基 を持つポ リエチレングリ コール、 2つ以上の活性エステ ル基を有するグリセ リ ンあるいはグリセ リ ンあるいはポ リ グリ セロールなどがある。 [0098] 第 2層 (抗血栓層) の厚みと しては、 2 から ΙΟΟΟμ πι 好ま しく は 20から 500 ; mである。 これより厚みが薄い 場合には、 有効な抗血栓性を付与することが困難であり、 逆に厚い場合にはこの第 2層と第 1層が剥離しやすく な る。 また第 1層と第 2層の厚みはの比は 1 : 1〜 5 0 : 1、 好ま しく は 2 : 1〜 1 5 : 1である。 このよ う な二層構造を形成している場合には、 第 2層 も生分解性であるこ とが好ま しい。 生分解性でない場合 には、 上述のパンヌ スによる閉塞が避けられず長期にお ける閉塞が問題となる。 [0099] また二層構造の場合、 第 1層と第 2層が剥離しないこ とは極めて重要である。 すなわち、 第 1層および第 2層 は血流にさ らされたり、 血管との吻合時にも剥離しない ように強固に接着している必要がある。 [0100] このため両層の接着をより確実なものにするために、 両層に後の架橋に使用できる、 ア ミ ノ基、 カルボキシル 基、 水酸基、 チオール基などの官能基を導入しておき、 架橋処理するこ とで両層を共有結合によって結合させる こ とが有効である。 [0101] 具体的な手法と して下記の例 (第 1層にアルブ ミ ン変 性物、 第 2層にゼラチ ンを用いた場合) を示す。 両層を 基材を被覆した後、 この両層に共通に含まれる官能基で あるア ミ ノ基、 カルボキシル基、 チオール基の架橋のた めに、 分子一分子中に 2個以上のエポキシ基、 活性エス テル基、 アルデヒ ド基を持つ架橋剤の溶液に浸漬するこ とで、 両層内とならんで両層間の架橋を形成させるこ と ができる。 [0102] 抗血栓性物質の中でも好ま しく 用いられるグリ コサ ミ ノ グリ カンを使用した場合の徐放量と徐放期間は、 人工 血管 1 c m 2 、 一日目に 3 u n i t 以上を、 2 日目以降は l u n i t を継続して 2 日間以上徐放させることが好ま しいも のである [0103] この徐放量ならびに徐放斯間をク リア一するためには、 第 2層の全体にグリ コサミ ノ グリ カンを含有させ、 この 第 2層からグリ コサミ ノ グリ カンを徐放させる二層構造 とすることが好ま しい。 [0104] 第 2層と して用いられる抗血栓性物質の含有量と して は、 1 一 5 0重量%好ま しく は 5 — 3 0重量%であり、 溶媒と しては水または各種の緩衝液が用いられる。 [0105] 抗血栓性物質と してグリ コサミ ノ グリ 力 ン等の負電荷 を持つものを用いる場合は、 前述の 1層構造の場合と同 様に、 第 2層中に塩基性タンパクおよび Zまたはポリべ プチ ドを含有させることも好ま しい結果をもたらす。 [0106] 特に第 2層と してゼラチンを用いる場合には、 次の各 手法によつて抗血栓性物質の最も好ま しい一例であるへ パリ ンの徐放特性を得ることが可能である。 [0107] ①ゼラチン層にへパリ ンを加えた状態で架橋する方法、 [0108] ②ゼラチン層に塩基性の官能基を導入しておきこの官能 基とグリ コサミ ノ グリ カンをイオンコンプレックスを形 成させることによって、 徐放化する方法 [0109] さ らに第 2層の血液接触面に、 上述の抗血栓性高分子 を固定化したり、 アルブミ ン、 リ ポタ ンパク質などの血 液中のタ ンパク質を塗布することによって、 さらに抗血 栓を改善するこ とも可能である。 [0110] [実施例] [0111] 以下本発明を実施例により詳しく説明する。 しかしな がら本発明は実施例により限定される ものではない。 [0112] 実施例 1 [0113] 5 0デニール一 7 1 4 フ ィ ラ メ ン 卜のポ リ エステル極 細繊維 ( 0. 0 7デニール) 、 6 0重量%、 1. 4デ ニールのポ リエステル繊維を 4 0重量%からなる繊維を 混合し、 平織り組織り にて内径 4 mmの人工血管を形成 した。 このチューブに厚手のポ リ エステルフ ィ ルムをい れ両面から軽く 針布起毛した。 ついで高圧の水条流をあ て繊維相互を絡ませた。 この人工血管の透水率 ( 1 2 0 mm H gの圧力のもと l cn^ 当り 1分間に透過する水の 量 (m l ) で定義される) は 3 0 5 0であった。 織り 目 の間には分散した極細繊維が数本横切つた構造をな して いた。 [0114] この人工血管の内腔に、 内径がぴったり と合うテフ 口 ン棒を差込み、 3. G gのゥ シアルブ ミ ン (フラ ク シ ョ ン V) を溶解したリ ン酸緩衝液 2 0 m 1 に 3分間浸漬した。 ついでオー ト ク レーブ処理 ( 1 2 1度— 1 5分) により アルブ ミ ンを固化し変性させた。 この操作は 2回繰り返 した。 ブ夕由来のゼラチ ン 1 0 g とへパ リ ン 3. 2 gを 蒸留水 4 0 m 1 に 5 0度にて溶解させた。 このゼラチン —へパリ ン溶液をアルブミ ン処理した人工血管の内腔に 流すこ と によ って、 人工血管内面に塗布した。 室温で 1 0分間放置することによってゼラチン層をゲル化させた 後、 5 %のエチレ ング リ コールジグ リ シ ジルエーテルを 含む、 エタ ノ ールと水の混合液 ( 8 0 : 2 0 (vol/vol) ) に浸潰し、 3 5度で 7 2時間架橋処理を行なった。 [0115] 得られた人工血管の断面図は第 2図に示す二層構造で あった。 [0116] これを 6本 3頭の犬の頸動脈に 6 日から 3 0 日間植え 込んだ。 埋め込みに際し人工血管の針の通り もよく、 吻 合性および縫合性は良好でほつれは全く 認められなかつ た。 所定期間経過後人工血管を取り出したところ全例が 開存していた。 内腔面に血栓は全く認められなかつた。 埋め込み後 2 8 日目の光学顕微鏡観察の結果から、 人工 血管中央部ではアルブミ ン層は分解され多数の線維芽細 胞および白血球が認められた。 また吻合部ではアルブミ ンおよびゼラチン層は完全に分解されており、 かわりに 多数の線維芽細胞が認められた。 さらに吻合部の内腔面 には生体血管から伸びてきた血管内皮細胞によつて被覆 されているのが観察された。 [0117] ポリエステル基材を用いないで、 アルプミ ン変性物の みからなる厚さ 2 m m、 1 0 m m角の板状物を作成し、 ラ ッ トの皮下に埋め込んだところ、 6 0 日前後で完全に 分解され、 結合組織におきかわるのが観察された。 [0118] 実施例 2 [0119] 実施例 1 と同様にポリエステル極細繊維を用いた内径 4 m mの人工血管を形成した。 2 gの ヒ ト アルブミ ンと ポリ L リ ジン 0 . 3 gを生理食塩水 1 0 m l に溶解し、 人工血管を本溶液に実施例 1 と同様に 1 0分間浸漬した。 ついでォ— トク レーブ処理 ( 1 2 1度— 1 5分) により アルブミ ンを固化し、 変性させた。 この操作は 2回繰り 返した。 [0120] 次に人工血管の内腔に 1 0 %へパリ ン水溶液を循環させ ( 4 5度— 1 2 0分) へパリ ンを固定化した。 [0121] 得られた人工血管の断面図は第 1図に示す一層構造で あった。 [0122] これを 8本 4頭の犬の頸動脈に 2 5 日から 3 0 日間植 え込んだ。 この結果、 8本のうち開存していたものは 4 本で閉塞した 1本は感染を合併したものであった。 埋め 込み後の光学顕微鏡観察の結果から本組成物はほとんど 吸収されており、 人工血管壁内には多数の線維芽細胞,お よび毛細血管が認められた。 人工血管の吻合部のほか中 央部にも内皮細胞のコロニーが認められ、 人工血管の内 面を一部被覆しているのが観察された。 [0123] ポ リ エステル基材を用いないで、 L リ ジ ン含有アルブ ミ ン変性物のみからなる厚さ 2 m m、 1 0 m m角の板伏 物を作成し、 ラ ッ トの皮下に埋め込んだところ、 6 0 日 前後で完全に分解され、 結合組織におきかわるのが観察 された。 [0124] 比較例 1 [0125] 実施例 1 と同じ人工血管を用いて実施例 1 と同様な方 法でアルブミ ン変性物のみで被覆されたチューブを作成 した。 これを用いて実施例 2 と同様の埋め込み実験を行 つたところ、 開存したものは 8本中 1本であった。 [0126] 比較例 2 実施例 1でゼラチン層にへパリ ンを含有させないもの を用い、 同様の埋め込み実験を行ったと ころ、 開存した ものは 8本中 1本であった。 [0127] 実施例 3 [0128] 5 0デニール一 7 1 4フ ィ ラメ ン トのポリエステル極 細繊維 ( 0. 0 7デニ—ル) を 6 0重量%、 1. 4デニ —ルのポ リエルテル繊維を 4 0重量%からなる繊維を混 合し、 平織り組織り にて 1 0 X 1 0 c mのパッチを形成 した。 このチューブに厚手のポリエステルフィ ルムをい れ両面から軽く針布起毛した。 ついで高圧の水条流をあ て繊維相互を絡ませた。 この人工血管の透水率 ( 1 2 0 mmH gの圧力のもと l cm2 当り 1分間に透過する水の 量 (m 1 ) で定義される) は 2500であった。 織り 目の間 には分繊した極細繊維が数本横切つた構造をなしていた。 [0129] このノ、。ツチを、 3. 0 gのゥ シアルブミ ン (フラク シ ョ ン V) を溶解したリ ン酸緩衝液 2 0 m 1 に 3分間浸漬し た。 ついでォー トク レ一ブ処理 ( 1 2 1度一 1 5分) に よりアルブミ ンを固化させた。 この操作は 2回繰り返し た。 [0130] ついで、 ブタ由来のゼラチン 1 0 gと硫酸プロ夕 ミ ン 1. 0 gを蒸留水 4 0 m 1 に 5 0度にて溶解させた。 この ゼラチン一プロ夕 ミ ン溶液をアルブミ ン処理したパッチ の片面に塗布した。 室温で 1 0分間放置することによつ てゼラチン層をゲル化させた後、 1 %のエチレングリ コ 一ルジグリ シジルエーテルを含む、 1. 0 w t %の水溶性 カルポジイ ミ ドを含む、 エタノ ール一水混合液 ( 8 0 : 2 0 (vol/vol) ) に浸漬し、 3 5度で 7 8時間架橋処理 を行なった。 得られたパッチの断面図は第 2図に示すご と く二層構造であつた。 [0131] このパッチを 2 X 3 c mに ト リ ミ ングした後、 雑種成 犬の右室流出路から肺動脈にかけて縫着した。 植え込み 後 4 0 日目の所見では、 基材の内表面には血栓がほとん ど認められなかった。 組織標本の光学顕微鏡的な所見で はアルブミ ン成分はほとんどが生体に吸収されており、 内壁面に内皮細胞様の細胞によって被覆されているこ と が判つた。 [0132] ポリエステル基材を用いないで、 アルブミ ン変性物の みからなる厚さ 2 mm、 1 0 mm角の板状物を作成し、 ラ ッ トの皮下に埋め込んだところ、 6 0 日前後で完全に 分解され、 結合組織におきかわるのが観察された。 [0133] 比較例 3 [0134] 市販のアルブミ ン変性物で埋め込まれていないポ リェ ステル製パッチ (ミ ー ドクス社製クー リ ーローポロ シテ ィ ) を実施例 3 と同様に検討した。 内面の大部分は赤色 血栓により覆われており内皮細胞様の細胞は全く 観察さ れなかった。 [0135] 実施例 4 [0136] 数平均分子量が 350 Dの L一乳酸、 グリ コール酸の 70/3 0 (mol/niol ) の共重合体の 2 w t %ク ロロホルム溶液に 実施例 1で用いたポリエステル製チューブを浸漬し送風 乾燥した。 この操作を 3度繰り返すことによって透水率 をほぼゼロとすることが可能であつた。 [0137] 内腔面に 3 %のヒ ドロキシェチルセルロース水溶液を 3回にわたって流すことで、 塗布したのち、 5 %のェチ レングリ コ一ノレジグリ シジルェ一テルを含む、 ェタ ノ 一 ルと水の混合液 ( 8 0 : 2 0 (νο ί/νο ΐ) ) に浸漬し、 Ρ Η 9 に調整した後、 4 5度で 4 8時間架橋処理を行なつ た。 得られた人口血管は第 2図に示すごと く二層構造で めった ο [0138] 0 得られた人工血管を 6本 3頭の犬の頸動脈に 1 0 0 日 間植え込んだ。 埋め込みに際し人工血管の針の通り もよ く、 吻合性および縫合性は良好でほつれは全く 認められ なかった。 所定期間経過後人工血管を取り出したところ 全例の開存が確認できた。 [0139] 5 ポ リ エステル基材を用いないで、 L —乳酸—グリ コ— ル酸共重合体のみからなる厚さ 2 m m、 1 0 mm角の板 伏物を作成し、 ラ ッ トの皮下に埋め込んだところ、 6 0 日前後で完全に分解され、 結合組織におきかわるのが観 察された。 [0140] 0 比較例 4 [0141] 実施例 4の人工血管を用い、 ヒ ドロキシェチルセル口 —スを塗布せずに同様の埋め込み実験を行なつたところ 全 4例が閉塞していた。 [0142] 産業上の利用可能性 [0143] S 以上のように本発明にかかるィ ンプラン ト材は抗血栓 性に優れ、 かつィ ンプラ ン ト材中へ積極的に細胞を導入 し長期に渡り血栓形成を防ぐものであり、 特に細径人工 血管においても優れた開存性を示し有用なものである。
权利要求:
Claims請 求 の 範 囲 1 . アルブミ ン変性物または生分解性ポリエステルによ り空隙部が埋め込まれた多孔性基材の血液接触面に抗血 D 栓性物質を含むイ ンプラ ン ト材。 2 . 生分解性ポリエステルがポリ乳酸、 ポリ グリ コール 酸、 ポリ ヒ ドロキシ乳酸、 ポ リ 力プロラク ト ン、 ポ リエ チレンアジペー ト、 ポリ ジォキサノ ンおよびそれらの 2 種以上の共重合体からなる群から選ばれた少なく とも 1 i e 種である請求の範囲第 1項記載のィ ンプラ ン ト材。 3 . アルブミ ン変性物により空隙部が埋め込まれた多孔 性基材を用いることを特徴とする請求の範囲第 1項記載 のィ ンプラ ン ト材。 4 . アルブミ ン変性物がアルブミ ンを加熱処理および/ 5 または化学架橋剤により架橋処理されたものであること を特徵とする請求の範囲第 1 または 3項記載のィ ンプラ ン ト材。 5 . 抗血栓性物質がアルブミ ン変性物または生分解性ポ リエステルに保持されて一層構造をなすことを特徴とす 0 る請求の範囲第 1 〜 4項記載のイ ンプラ ン ト材。 6 . アルブミ ン変性物または生分解性ポリエステルに塩 基性タ ンパク質および Zまたはボリべプチ ドを添加する ことを特徵とする請求の範囲第 5項記載のイ ンプラ ン ト 材。 0 7 . 抗血栓性物質がアルブミ ン変性物または生分解性ポ リエステル上に層伏に配置され二層構造をなすこ とを特 徵とする請求の範囲第 1〜 4記載のイ ンプラ ン 卜材。 8. 抗血栓性物質層に塩基性タ ンパク質および. Zまたは ポ リべプチ ドを添加することを特徴とする請求の範囲第 7項記載のィ ンプラ ン ト材。 9. アルブ ミ ン変性物または生分解性ポ リ エステルの分 解期間がラ ッ 卜の皮下に 1 0 mm角、 厚さ 2 mmの板状 のものを埋め込み、 3 日から 400 日である こ とを特徴と する請求の範囲第 1〜 8項記載のィ ンプラ ン ト材。 1 0. 多孔性基材の透水率が 5 0 0から 5 0 0 0 mlZcirf min. 120mmHg であるこ とを特徴とする請求の範囲第 1 〜 9項記載のィ ンプラ ン ト材。 1 1. 多孔性基材が繊維を織り、 編みまたは不織布化し て得られたものであるこ とを特徴とする請求の範囲第 1 〜 1 0項記載のイ ンプラ ン ト材。 1 2. 多孔性基材が 4 0重量%以上を 0. 5デニール以 下の極細繊維とするこ とを特徴とする請求の範囲第 1 1 項記載のィ ンプラン 卜材。 1 3. 抗血栓性物質が水溶性高分子および Zまたは抗血 液凝固剤であるこ とを特徴とする請求の範囲第 1〜 1 2 項記載のィ ンプラ ン ト材。 1 4. 抗血栓性物質がグリ コサ ミ ノ グリ カ ンであるこ と を特徴とする請求の範囲第 1〜 1 3項記載のイ ンプラ ン ト材。 1 5. イ ンプラ ン ト材が人工血管またはパッチであるこ とを特徵とする請求の範囲第 1 〜 1 4項記載のィ ンプラ ン ト材。
类似技术:
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同族专利:
公开号 | 公开日 EP0512122A1|1992-11-11| EP0512122A4|1993-04-28| CA2074362A1|1992-05-23|
引用文献:
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